「君が代」の歴史について調べる機会がありました。
明治2年薩摩藩砲兵隊長大山厳は、英国人公使館護衛歩兵軍楽長John William Fentonから儀式用の国歌を問われて、琵琶歌「蓮菜山」に引用されている「君が代」を歌詞に選びました。
異説もあるようですが、外交儀式上の必要から古今和歌集巻第七の賀歌冒頭に「題知らず、よみ人しらず」となっている「君が代」にFentonさんが曲をつけました。しかし、これは不評だったようで演奏されなくなりました。
明治12年に来日したドイツ人Franz Eckertは、海軍群楽隊教師として宮内庁雅楽課 林廣守さん作曲の曲譜を編曲しました。その編曲の時、参考にしたであろう曲が12世紀のグレゴリアン聖歌「復活祭ミサの続唱Sequentia」と言われています。
「君が代」の曲は、キリスト教的な雰囲気を色濃く持っています。
音楽には国境がないといわれます。イエス・キリストが生まれた時、天使たちは「天においては神に栄光、地には平和」と神への賛美を歌いました。
元旦は民族主義的な利己心から解放されて、軍隊の歌、各国の国歌ではなく平和の歌を共に歌いたいものです。
園長 原田 豊己神父
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