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第14回 -絶対的平和論−

 初代教会のキリスト教信徒は、ローマ帝国内で激しい迫害を受けたことを私達は知っています。その理由として次のことが考えられます。

                               

 1)ローマ帝国が皇帝礼拝やローマ的な宗教行為を強要した事に対して、キリスト教徒は彼らが持つ唯一神信仰ゆえにそれを拒否したこと。

 2)キリスト者達が、戦争の拒否、兵役拒否をしたこと。例えば258年に殉教したカルタゴの司教キプリアヌスは「キリスト教徒は殺すことをゆるされていない。むしろ殺されるままになるべきである」と述べています。


 これを私達キリスト者は、誇りを持って絶対的平和論と呼んでいます。しかしながら、ローマ皇帝コンスタンティヌス以後キリスト教が帝国の公認宗教となり、政治と宗教が結び付いた時、絶対的平和主義は崩れ去っていきます。

     

 13世紀の偉大な神学者トマス・アクィナスは、戦争を正当なものと不正なものとに分けて、戦争が正当化される条件を次の4項目にまとめました。
 
 ・正当な権力(legitima potestas)によっていること
 
 ・正しい理由(justa causa)によっていること(正義を再建すること)
 
 ・正しい意図(recta intentio)によっていること
 
 ・妥当な方法(debitus modus)によっていること(倫理的に是認しうること
 
                               

 これが、いわゆる正戦論(正当戦争論)と呼ばれるものです。これ以後の戦争に倫理的な制限と、教会が戦争を査定するため、正しい戦争はありえないことをしめしました。
 しかし、残念なことに人類は、正当化された戦争がありうると理解してしまいました。イラク戦争の実態が明らかにされようとしている今、人類は「やはり正しい戦争はありえないこと」を学ばされています。                                   
                       園長 原田 豊己神父


いつも神様が見守って
下さいます。

幼稚園に隣接している
教会は
子ども達にとっては
身近な場です。

 


 

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