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第15回 -「人間環境(ヒューマン エコロジー)」−

 今から30年前、石牟礼玲子さんの名前をはじめて知りました。
彼女が書いた「苦界浄土」を読んだときの衝撃を忘れることはできません。


 企業と国が引き起こした公害によって病気に苦しめられる人々。

 障害を負って生まれてくる子どもたち。

 原因は自分にあると自身を責め社会に対して心を閉ざす親たち。

 それでも水銀を含む汚泥の中で漁業に生き、水銀に汚染された売れない魚を自ら食べ続ける漁民たち。


 日本と世界の自然環境破壊、公害の原点として「水俣・ミナマタ」は、人々の記憶に留められてゆきます。


 ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世は、「自然環境」の開発・発展に道徳性、倫理性を持つことの重要性をかねてから宣言していました。と同時に「人間環境(ヒューマン エコロジー)」の保全を宣言されています。特に子どもたちが置かれている環境に対して、大人たちの破壊を引き起こさないように祈りたいものです。

 今年は、水俣病発生から50年です。
                       

                園長 原田 豊己神父




 


 

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