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第29回 -「モンテッソーリ教育」-  

クリスマスと新年のお喜びを申し上げます。


年末は、ゼミの学生の卒業論文の添削をして過ごしました。


一人の学生は遠藤周作さんの「王妃マリー・アントワネット」を取り扱っています。
架空の人物―王妃を憎むマルグリットと王妃に無償の愛を注ぐフェルセン―二人登場させるこの小説は、たいそう面白いものです。
二人の役回りは、マリ−・アントワネットが死刑にされる出来事を通してアントワネット自身が真に回心(愛に目覚める)することを見定めるというところでしょうか。

無償の愛を注ぐフェルセンによって真の愛に目覚めたアントワネットは、家族の愛に目覚め、王子の死に逢い初めて神に祈ります。
そこには、満たされぬ心を埋めるための何者も、自分が一番という傲慢さもなく、今までの自分が犯した罪を受け入れる姿が見て取れます。
このような回心をしたアントワネットが処刑台に立つとき、王妃に憎しみを持っていたマルグリットが涙を流してゆきます。
マルグリットも憎しみの心から解放されたのです。


一人の無償の愛の行為は、相手に回心を呼び起こし、その回心は周り者の憎しみさえ消し去ることができる。すなわち回心の伝播が始まるのです。
キリスト教作家遠藤周作、遠藤文学の一つのパターンがはっきりと見て取れる作品です。

先生方の子どもへの愛の行為は、子どもたちを通じて、家庭へ社会へとひろがって行きます。
モンテッソーリ教育の基本もここにあります。

今年もよろしくお願いいたします。

園長 原田 豊己神父
          




 


 

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