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第32回 -「新年度にあたって」-  

新入園児を迎えることは、私たち一同の喜びです。
また、A組さん、B組さんへの成長も目を見張るものがあります。

幼児期の成長は、人間の一生のなかでも重要な意味を持っています。この時期の教育に携わることができることは、私たちにとって身の引き締まる思いと同時に大きな喜びです。


ノーベル文学賞を受賞した大江健三郎さんが、その記念講演で次のように述べられていました。

「あらためて個人的な話になりますが、知的障害を担って生きている私の息子は、鳥の歌からバッハやモーツァルトの音楽に向けて育ってゆき、ついには自分の曲をつくるようになりました。
初期の小さな作品は、草の葉にキラキラ光る露のような、新鮮な輝きとその喜びそのものだったと思います。
(略)ところがさらにかれが作曲を進めるうち、父親の私は、光の音楽に泣き叫ぶ暗い魂の声を聞き取るほかなくなったのです。
知的な発達のおくれている子供なりの、しかし、懸命な努力が、かれの「人生の習慣」である作曲に、技術の発展と構想の深化をもたらしました。
(略)しかも、その泣き叫ぶくらい魂の声は美しく、音楽としてそれを表現する行為が、それ自体で、彼の暗い悲しみのかたまりを癒し、 恢復させていることもあきらかなのです。
さらに光の作品は、わが国で同じ時代を生きる聞き手たちを癒し、恢復させるもする音楽として、広く受けとめられることになりました。」

この話しは、直接に幼稚園に当てはまらないかもしれません。
しかし、子どもたちのしぐさや言葉が周りの子どもたちや私たち自身を癒し、恢復してくれていることを私どもは実感しています。

子どもたちに教え、子どもたちから教えられながら、元気に過ごしてゆきましょう。

園長 原田 豊己神父



 


 

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