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第4回 −「年の初めにあたって」−
元旦のミサ(お祈りの儀式)で、子どもたちと皆さんのことを思い起し、お祈りいたしました。
ドイツ文学者で小説家の中野孝次さんが、林望さんのエッセイ『イギリスはおいしい』を取り上げて、『飽食と節制』というエッセイで人間の品位について評論しています。
その中で、コックスという名のりんごを林さんがたたえたこと、イギリス人がこれを最高として百年間少しも変えず改良せず栽培していることに感心しています。
中野さんもかねていからこのりんごの熱愛者で、いつイギリスに行っても変わらずそれがあることに「英国の味ここにあり」と感激していたそうです。
実際、変わらぬ食べ物があるということは安心させられるもので、大袈裟(げさ)にいえば文化の自己同一性さえそこに感じると、彼は感想を述べています。
さらに、消費文明が真の豊かさをもたらさなかった以上、量から質を、物質から心を、重視する文明の必要を強調し、欲望の無制限な解放ではなく、人間の品位が問題なのだと評論します。
まさしく、教育は人間の品位を育てるもだと考えます。
年末から年始にかけて、テレビは連日「ラーメン」の特集でした。
その時、このエッセイを思い出しました。
園長 原田豊己神父
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